スクリーンの中

我々が一般的に抱いている、家庭教師と言うイメージは、どうしても学生のアルバイトで、勉強を教えてくれる、と言うことになりますが、スクリーンの中でも以前から家庭教師は数多く登場しています。
故松田優作主演の映画「家族ゲーム」や、何度も映画化されている石坂洋次郎の「陽のあたる坂道」などに登場する家庭教師は、やや型破りではありますが、どちらかと言えばこの学習指導中心のタイプの家庭教師です。
しかし「ラストエンペラー」に登場する、清朝最後の皇帝愛新覚羅溥儀の家庭教師であるレジナルド・ジョンストンは、イギリス人であり、本職は中国学者です。
溥儀に学問ばかりではなく、帝王学や行政なども指導していました。
またジョンストン自身、イギリス租借地海衛の行政長官でもありました。
他にも世界的に有名なスタンダールの小説「赤と黒」の主人公、ジュリアン・ソレルも家庭教師です。
日本でも良く知られているミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」のヒロインであるマリアはトランプ大佐一家の、そして主題歌”Shall we dance”で有名な「王様と私」 に登場するアンナも、タイ王室の王太子の家庭教師です。
彼らの場合、生徒の人間形成や成長過程に深く関わり、影響を与え、また生徒の両親や生活環境に対して大きな発言権を持っている、と言えるでしょう。
スクリーン上に登場する家庭教師は、時代的に受験戦争があるわけではないだけに、学力の充実、と言うことを求められるだけでなく、人間として尊敬されるような立派な人物に成長する為の指導力が求められたのです。
彼らが楚々としているだけでなく自分の考えを持った強い人間として描かれているのは、そういった背景があるからなのです。
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